国内で実施されているカラー関連の資格のなかでも、最も知名度が高いものといえば「色彩検定」ではないでしょうか。色は私達の生活のなかでなくてはならないものですし、与える印象はとても大きなものです。色が持っている意味や使い方など、色彩が人間や社会にどんな影響を与えるのか、または配色理論なども学べます。色彩検定について、一度は耳にしたことがある人も、まずはどんな資格なのか学んでみませんか。
色彩検定とは
1990年に初めての色彩検定が実施されて以来、30年以上の長きに渡り行われているカラー関係の資格です。民間資格ではありますが、男女問わずに人気の資格でもあり、毎年たくさんの人が受験しています。現在は色彩検定教会としていますが、以前は全国服飾教育者連合会と呼ばれていました。
この名前を見てもわかるように、もともとはアパレル業界の店員さん立ち向けに、色彩の知識を向上させるために生まれた、資格だったと言われています。
現在でもアパレル関係の仕事をしている人の受験も多いのですが、他の仕事をしている人の受験者の数も増えています。色彩だけの分野に関わらず、幅広いジャンルの色彩知識や技術を学べる内容に変わってきています。洋服だけに限らず、広告デザイン、Webデザイン、照明やインテリア、環境(設計)など色が関係する分野が幅広く学べる資格に変わっています。
色彩検定は3級・2級・1級と上がるに連れて難易度が高くなっていきます。2018年に誕生した全く別の色彩検定として「ユニバーサルデザイン(UC)」などもあります。2級・3級は年に2回(6月・11月)実施され、1級は1回(11月)のみとなっています。
「特定の色の組み合わせが判別しにくい」人が、日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人、全体で300万人存在するといわれています。
このような人たちにとっては、一見わかり易く色分けされている鉄道の路線図や、危険を知らせるサイン、電源のON/OFFを示すパイロットランプなどが同じような色に見えてしまう場合があるのです。
また、白内障等の眼の老化によっても色覚は変化し、区別できない色が増えるといわれています。高齢化社会が進む中、このような問題は更に増える可能性があります。
UC級 は「色に携わる全ての人が色覚多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる社会の実現」を目指し、2019年から全ての都道府県で実施します。団体で受検することもできます。
色彩検定を学ぶメリット
色彩検定に興味があるものの、そもそもどんなメリットがあるのか疑問に思っている人もいると思います。色彩検定だけで就職や転職に有利になるかというと、正直難しいところもあります。
この資格自体が仕事にすぐに活かせるわけではないです。就職の面接で色彩検定を取得していますと話しても、企業によっては全く話題にならないこともあります。
色彩検定は自己啓発の一環として取得する人も多く、今までなんとなく使用していた色を理論立てて考えられるようになります。そのためデザインの精度を高めたいと考えている人にとっては、学びの多い資格といえます。
色の理論を知っているだけでセンスの良さをアピールできます。そもそも色には相性があるので、この色とこの色を合わせると相性がいいなどのちょうどいい組み合わせも存在するのです。
とはいえ、資格を取得すればセンスが良くなるわけではありません。あくまでも、色の組み合わせについて知り、デザインを考えるときに活かせるようになるのです。毎日の生活や仕事のなかで、色について意識することで見えてくるものもあります。
私も広告デザインなどを作成するにあたり色彩、カラーバリエーションを当然大事にします、デザイン関係の仕事に活かせる事が多いので是非デザイナーを目指している方は勉強してみください。
色彩検定の試験や難易度は?
色彩検定は受験するための「資格」が存在しません。希望すれば何歳からでも受験できる仕組みになります。3級・2級はマークシート方式の筆記試験・記述試験(2級)のみになり、1級になるとマークシートと記述、記述式の実技試験も行われます。飛び級も認められているので、3級から受験せずにいきなり1級から受験することもできます。
各級の70%以上の合格率で合格になります。ただし、そのときの出題難易度によってこの数値は変動があります。あくまでも目安として覚えておかないと、できたと思っても不合格になってしまうことも考えられるのです。実際に過去には合格ラインが78%まで上がった年もあります。
色彩検定においては、3級は色彩学の基礎を学ぶものになります。2級になるとより深堀りして、詳細に学び知識を身につけていきます。1級になると、色彩の専門的な知識や技能など、幅広く学ぶことになるのです。試験料においても3級は7,000円、2級は10,000円、1級は15,000円とちょっとお高めです。1級の1次合格、2次不合格になると、2回(2年限定)は1次試験が免除され2次試験が合格すれば1級試験が合格になるようになりますので、覚えておいてください。1級はしっかりと勉強していても、かなり難易の高い資格になります。
色彩検定の勉強方法
色彩検定の勉強方法について、まずはとにかく参考書を読むことです。デザイン関係、アパレル関係の仕事に従事している人でも、始めはわからないことだらけで戸惑うことも多いと思います。色の合わせや意味など、意外と知らないものですよね。参考書を読んで問題を解く、間違えたところは何度もやり直しながら確かな知識として身につけていきましょう。
色彩の本なども数多くありますので参考書と一緒に勉強してみてはいかがでしょうか。
公式テキストと配色カードと過去問題集は色彩検定協会のHPから購入できますので興味がある方は下記からどうぞ。
個人の勉強だけでは不安な方は下記のオンライン学習サービスなどをご利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
試験日 | 料金 | 試験内容 | 合格率 | |
色彩検定3級 | 6月.11月 | 7,000円 | マークシート方式 | 70〜78% |
色彩検定2級 | 6月.11月 | 10,000円 | マークシート方式 | 70〜78% |
色彩検定1級 | 11月 | 15,000円 | 1次マークシート方式/2次実技 | 70〜78% |
色彩検定UC | 6月.11月 | 6,000円 |
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70〜78% |
色彩検定はただ色について学ぶ資格だけに限らず、どうしたらビジネスの分野で活かせるのかなど学ぶべき内容がたくさんあります。色彩検定についてまずは3級からお試しで学ぶのもいいですし、ある程度経験のある人は1級などを目指してみてもいいと思います。デザイン関係、服飾関係、アパレルでは色彩検定を持っているのもアピールポイントになります。内容をしっかりと把握することで合格率も高まるはずですよ。