印刷業界やグラフィック業界で活躍できる資格といえば「DTPエキスパート」ではないでしょうか。DTP関連資格のなかでは比較的歴史が深いこと、実務にいかせる資格としても注目されています。
職種を問わずに知識や技術を取得できることもあり、多くの受験者を誇る資格でもあります。DTPエキスパートとは具体的にどんな資格内容になるのか、試験の時期なども含め、わかりやすく解説していきます。
DTPエキスパートとは
DTP(デスクトップパブリッシング)エキスパートはPCを使って出版物をデザインするだけでなく、新聞の編集や製版・印刷する知識や技術のレベルを認定する資格になります。
これらの一連の作業を証明するものになり、日本印刷技術協会(JAGAT)が主催する民間資格です。そのため認証を継続する為には2年に1度7月上旬から下旬のみ行う「更新試験」を受験しなくてはいけません。
有料で受けるものになり、学科試験のみなので場所を問わずに更新できます。もし2年の期間を過ぎてしまったときは、7月上旬から8月上旬まで(試験は9月)再取得制度も用意されています。
DTPエキスパート・マイスター |
21,000円 |
DTPエキスパート |
15,000円 |
更新試験 |
7,300円 |
再取得試験 |
10,500円 |
再取得後の更新試験受験料 |
7,300円 |
また、2020年より「DTPエキスパート」と「DTPエキスパート・マイスター」の2種類で認定されるようになりましたが、いずれも従来通りの試験をクリアすると認定されます。「DTPエキスパート」は筆記だけでも取得できますが、DTPエキスパート・マイスターにアップグレードする場合は、認証有効期限内に試験を受験して合格します。
DTPエキスパートは印刷業界・出版業界では特に有名な資格になります。DTPの知識や技術はすぐに実務としていかせるものになりますし、実際にこの資格をいかして現場で働いている人もたくさんいます。
ただしこの資格だけで就職を考えている場合は難しく、その人の持っているセンスによっても結果が変わります。他にもDTP専門企業やデザイン事務所・広告代理店で勤務している人もいれば、フリーランスで仕事を受注している人もいます。
DTPエキスパートの受験資格とは
DTPエキスパートは受験する制限は一切ありません。事前に取得しなくてはいけない資格もありませんし、年齢や学歴なども関係なく誰でも受験できます。試験日は年2回行われており、3月・8月に東京・名古屋・大阪・福岡・仙台・札幌にて行われています。
試験の申込みは実施月の初旬まで受け付けているため、ギリギリの申し込みもできます。各地の具体的な試験会場は、開催の1ヶ月前に掲載されます。結果発表は5月中旬・10月下旬です。
DTPエキスパート・マイスターでは主に「学科試験」と「実技試験」の両方が行われています。学科試験の内容は「DTP関連知識」「印刷発注側の知識」「印刷工程知識」「色の知識」「コミュニケーション」など幅広いものになります。
学科試験を受けたあとに、提出期限内に作品や制作指示書を提出するのが実技試験です。同日に行われるため、別日に試験を受ける必要がありません。DTPエキスパートの合格率は53.7%と比較的高めになります。
ただし実技試験が不合格になってしまうと、どんなに学科試験でいい成績を収めていたとしても不合格になるので注意してください。あくまでも実技を優先にした資格になります。
受験資格 | 特になし |
試験日 | 3月 8月 |
開催場所 | 東京・名古屋・大阪・福岡・仙台・札幌 |
受付申込期限 | 開催月初旬まで(要確認) |
学科試験 | 「DTP関連知識」「印刷発注側の知識」「印刷工程知識」「色の知識」「コミュニケーション」 |
実技試験 | 学科試験の後に同日 |
合格率 | 53.7% |
合格発表 | 5月 10月 |
DTPエキスパートの資格はどんな人に向いている?
DTPエキスパートは、即戦力のある証明になります。
将来的に個人で仕事を受けたいと思っているのであれば、デザインのスキルはもちろん総合的な仕事ができるデザイナーになると、安定的な収入が期待できます。また、この資格は紙面のデザインに興味がある人だったりレイアウトを考えるのが好きな人に向いています。
ただしPCを操作する必要もあるので、基本的な知識や技術を持っていないと話になりません。印刷業界に転職したいと考えている人にとっても取得しておきたい資格といえます。また勤めている会社から資格を取得するのを推奨されているケースも多いようです。
資格がなくても業務には支障がないものの、仕事の工程への配慮だったりスムーズに仕事を進めるうえでも知っておいたほうがいいものばかりです。例えば打ち合わせなどでクライアントを前にしたときに、自信を持って受け答えができるようになるなど、DTPの知識や技術を把握できる意味でも嬉しい資格です。
まとめ
DTPエキスパートはそこまで難易度の高い資格ではありません。実際に業務でDTPに触れている人だったり、しっかりと勉強している人であれば合格できるはずです。
DTPエキスパートの資格がなくてもデザインの仕事はできますが、実力を証明する資格でもありますし、総合的な視野で見れるのも大きいのではないでしょうか。受講料は決して安いものではありませんので、必ず合格できるようにしておきましょう。
またセンスが問われる資格になりますので、取得後も幅広い知識を身に着け、活躍できるようにしてくださいね。
